防災の日、これで首都を襲う大震災に対処できるのか、九都県市合同防災訓練の課題

2012年9月1日(土)
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横浜市が幹事となりみなとみらい地区耐震バースで行われた「九都県市合同防災訓練」に参加。南海トラフ大震災、首都直下型大震災の被害想定が大幅に引き上げられた中での防災訓練、緊張感のある意味ある訓練になっているかと期待したが実態は全く期待外れ。観客席がしつらえられてシナリオ通りのデモンストレーションを見るだけの訓練は訓練とは言えない。参加者には申し訳ないが、全くのショーにすぎない。なんとかもっと意味のある訓練にしなければまずい。横浜市会議員時代からこうした訓練の是正を訴えてきたが、これまでと変わらず。政府にも訴えてゆかなければならない。野田総理、中川防災担当大臣も視察に来られていたがどう感じただろうか。以下、問題点を上げる。

お粗末なセット

会場に用意された被災家屋は訓練用に壊れた状態で建てた張り子のようなもの。ガラス窓はペンキで描いたもの。実際の建物とは構造もなにも全く違う。こうした張り子を使った訓練では意味がないのではないか。せめてプレハブでも町に実際に建っている建物を使った訓練とすべきではないか。また、広い広場にポツンポツンと建てられている。町では建物は救助に都合のいいように離れて建ってはいない。

緊急時に道路をふさぐ障害物を撤去する(道路啓開)

2トントラックと大型クレーンが出場、協力建設会社の社員の皆さん20名ぐらいが作業にあたる。広々とした広場での作業、なんの障害物もない。果たしてこうした作業が大震災後の町で可能なのか。道路はあちこちで障害物に封鎖されているはず、大きなクレーン車が動ける範囲はきわめて限定されていると考えるべきではないか。こうした道路啓開作業は、市民がほとんど人力に近い形で行うのが実際の被災後の姿ではないか。そうした正しい想定の訓練が必要。

多くの消防隊、自衛隊、US海兵隊等が一斉に作業開始

横浜市、東京都、相模原市、US海兵隊などの消防隊が参集して救助作業にあたる。ヘリコプターも横浜市、自衛隊、海上保安庁等とそれぞれが飛来して海に流された被災者の救助にあたる。こうした光景は見世物としては圧巻であるが、本番でこのような光景を見ることはまずないはず。それぞれの訓練された動きは頼もしい限りですが、こうしか姿を市民に見せることは公助に期待を寄せることになりかえって逆効果ではないか。災害発生直後の一番大事な時には公助は期待できないことを伝えなければならないはず。

指揮命令系統は大丈夫か、連携は取れているのか

横浜市の災害の司令官であるはずの横浜市長は観客席で観戦。野田総理もせっかく現場にいるのに視察のみ。本来、現場司令官が果たすべき役割をだれが果たしているのか。横浜市長は最前線で情報を確認し判断し、指示を出さなければならない。各地から駆けつける支援組織を把握して指示を出す。そうした訓練となっているのか全く不明。シナリオ通り、順番に登場して予定された作業をそれぞれの持ち場で行うのみでは合同訓練の意味はない。

訓練のあるべき姿

シナリオありきのショー的訓練はやめるべき。実際の災害発生を徹底的に分析して再現して対処させる訓練としなければならない。情報をその場で与えるシミュレーション型の訓練、難しい場面を作り出し判断させる訓練となるように工夫しなければならない。言うまでもなく災害は都合のいいように発生してくれない。問題の起こらないスムースに進む訓練は意味がない。街中の訓練ではもう少し工夫された訓練となっていた。中央会場がもっともお粗末では仕方ない。日本の危機管理のレベルはまだまだ低い。

脱原発で30年。山崎誠はぶれません。
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山崎 誠

(やまざき まこと)

立憲民主党衆議院議員(東北ブロック比例)

立憲民主党副幹事長、エネルギー調査会事務局長、経済産業委員会、内閣委員会委員、東日本大震災復興特別委員会筆頭理事。

環境・エネルギー・地方創生・社会保障政策・教育政策を中心に活動を展開。

元横浜市会議員、日揮株式会社、株式会社熊谷組勤務。山崎誠政策研究所代表、森びとプロジェクト委員会顧問、よりそいサポートネットワーク事務局長等

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